【No.5】大友克洋短編集『彼女の想いで…』を読んで、メビウス、そして手塚治虫へのリスペクトを感じられたというお話
大友克洋好きとかほざきながら実はAKIRA以外読んだことのないのは如何なものかと思い、
『彼女の想いで…』
を購入し読んでみました!!
これは大友克洋先生の短編集で、『AKIRA』『童夢』の元となった短編が収録されていることで有名です。
この本のいいところを5つほどまとめてみました!
ちなみにネタバレはありません!正確には、「“この世で最も嫌いなもの:ネタバレ”を公言している私が、自分の許容範囲内に収まるネタバレしかしていない」ので安心してお読みください!本当に些細なネタバレも許容できない、「買うまで一コマもみたくないんだ!!」くらいの方は見ない方がいいかもしれません!
それではどうぞ↓↓↓
『AKIRA』『童夢』の元となった「FIRE BALL」
この話が『AKIRA』『童夢』の元となった話です(本人談)。
読んでみて確かにそう感じました。
ただまあゴリゴリに未完成(笑)。
オチらへんの話のすっ飛ばし具合がやばいですね。
本人的にも、ここで書きたいことを書ききれなかった後悔があったみたいです。そのエネルギーがAKIRAを生んだのでしょうね。そういった未完成感も合わせて楽しみたい作品。
ちなみにこの話に登場する人工知能の名前が「アトム」となっています。
AKIRAの元となった作品にアトムという名が出てくるのは実に感慨深い…
本短編集のタイトルにもなっている「彼女の想いで」
29Pでこんな美しさのある話を書けるのかとただただ感動・・・。
もしこんな漫画がジャンプに持ち込まれでもしたら大騒ぎだろうな。
この本に収録されている話で一番好きでした。これだけでも買う価値あった。
メビウスイズムを感じる「FLOWER」
メビウスとはバンドデシネ(※フランス語圏の漫画)の巨匠であり、大友克洋や宮崎駿に影響を与えた、すなわち日本の漫画界にも多大な影響を与えている人物として有名です。
(メビウス作品は『アンカル』しか見たことないのですが、)一目見て、「メビウス感すごいな!!笑」と思いました。それくらい影響を受けていたみたいですね。
実際に、巻末のあとがきでも「メビウスを初めて知って、それで影響受けちゃって」と言及されていました。
メビウスイズムが大友ナイズされきらず、メビウス色が強く出すぎた作品。その珍しさを堪能しましょう。
こんな漫画もありなんだと思った「SOUND OF SAND」
この話を読んだ率直な感想は、
「え、終わり!?!?」
だった。
8Pで終わる漫画で、大友先生曰く“ショート・ショート”らしい。ショート・ショートは小説だけのものと思っていたので、勉強になった。こういう漫画を書いてもいいんだっていう驚きがあった。
見どころたっぷりの「あとがき」
巻末で大友先生本人が、本書に収録された全ての短編についてコメントしてくれてます。大友先生が作品を作る際の考えに触れられる貴重な文章。
ここだけでも個人的には買う価値あった。
最後に
この記事を読んで気になった方は是非買ってみてはいかがでしょう!!